【活動レポート】岡山県創志学園高校にて、高校生向けAI活用授業を実施しました。

2026年5月下旬・6月上旬の2日間にわたり、
岡山県、創志学園高校の生徒の皆さんを対象に、bridge NEXT守屋がAI活用授業を実施しました。

今回の講義のテーマは、AIを単なる効率化ツールとして使うのではなく、
自分の考えや目的を形にするための「パートナー」として使いこなすこと。

1日目は、AIの基本的な仕組みや活用時の注意点を学びながら、
実際にGeminiを使ってアウトプットを作る体験を実施。

2日目は、岡山銘菓「きびだんご」を題材に、AIを使って施策を考え、
発表資料まで作成するグループワークを行いました。

アウトプットを簡単に生成できる時代だからこそ、
必要になるのは「何を作るか」だけではありません。

誰に、何のために届けるのか。どのような成果につなげたいのか。
その目的に合わせてAIを使いこなす力です。

今回の2日間では、AIを使う楽しさと同時に、AIの出力をそのまま受け取るのではなく、
自分たちの目的に合わせて問い直し、考え続けることの重要性を体感してもらいました。

Day1:AIは「怖いもの」ではなく、自分の考えを形にするパートナー

1日目の講義では、まずAIの進化と現在地について紹介しました。

ChatGPTの登場以降、AIは「情報を分類する」「予測する」といった専門的な道具から、文章・画像・アイデアを生み出す創造的なパートナーへと大きく変化しています。

かつては専門知識がなければ扱いにくかったAIも、
今では誰もが自然な言葉で対話しながら使えるようになりました。

一方で、AIに対して不安を持つ生徒も少なくありませんでした。

「AIが出す情報が正しいのか不安」
「個人情報や情報漏洩が心配」
「AIが普及したら仕事がなくなるのでは」
「使いこなせる自信がない」

こうした不安は、AIを使う上でとても自然な反応です。

だからこそ1日目は、AIをただ便利なツールとして紹介するのではなく、
AIの得意なこと・苦手なことの両方を理解しながら、実際に手を動かしてみることを重視しました。

「推しの魅力」をAIと一緒に言語化する

最初のワークでは、生徒自身の「推し」を題材に、
AIと一緒にエレベーターピッチを作成しました。

好きなアイドル、地元の場所、食べ物、キャラクターなど、
自分が人にすすめたいものをGeminiに伝え、短い紹介文として磨いていくワークです。

ここで大切にしたのは、AIに丸投げするのではなく、自分の想いや背景を言葉にして渡すこと。
AIは多くの情報をもとに自然な文章を生成できますが、
「なぜ好きなのか」「どんな魅力を伝えたいのか」という本人の視点が入ることで、
アウトプットはより自分らしいものに変わっていきます。

生徒たちは、AIに条件を追加したり、言い回しを変えたりしながら、
自分の考えが少しずつ形になっていく感覚を体験しました。

AIを使いこなすために必要な「問い方」と「疑う力」

続いて、プロンプトの工夫によってAIの出力がどのように変わるのかを体験しました。

まずはシンプルな指示で「文化祭の出し物」を考えてもらい、
出てきたアイデアを比較。多くの出力が似たり寄ったりになることを確認した上で、
プロンプトの4原則を紹介しました。

  1. 役割を与える
  2. 背景・状況を伝える
  3. 条件・制約を入れる
  4. アウトプット形式を指定する

この4つを意識して再度AIに依頼すると、出力は大きく変化します。
AIは平均的な答えを返すことが得意ですが、そこに自分たちの状況や意図を加えることで、
より具体的で使いやすいアウトプットに近づいていきます。

また、AIが誤った情報をもっともらしく返す「ハルシネーション」についても扱いました。AIが出した情報をそのまま信じるのではなく、ソースを確認すること。
最終判断は人間が行うこと。AIに頼るほど、「考えることを止めない」姿勢が重要になることを伝えました。

Day2:「きびだんご」の売上を伸ばす施策をAIと考える

2日目は、1日目に学んだことを活かし、実際にAIを使ってアウトプットを作る実践編です。

テーマは、岡山のお土産「きびだんご」をもっと多くの人に買ってもらうにはどうすればよいか。

まず、AIが作成したきびだんごのPR素材を生徒に提示しました。
見た目としてはきれいにまとまっているものの、どこか一般的で、誰に向けたものなのかが曖昧なアウトプットです。

ここから、生徒たちに問いかけました。

「このPR素材は、自分たちのミッションに使えると思いますか?」

同じ商品であっても、届けたい相手が変われば、必要な施策は大きく変わります。10代の学生に放課後のお菓子として買ってもらう場合と、50代の会社員に手土産として選んでもらう場合では、使う言葉も、訴求すべき価値も、届ける媒体も異なります。

生徒たちは3人1組のグループに分かれ、それぞれ異なるターゲットとミッションを受け取りました。

たとえば、
「50代のサラリーマンが手土産として購入するようにする」
「10代の学生が放課後に食べるお菓子として購入するようにする」
「インバウンド顧客がお土産として購入するようにする」

同じ「きびだんごの売上を伸ばす」というテーマでも、目指すアウトカムが違えば、AIへの問い方も、検討すべき論点も、最終的なアウトプットも変わっていきます

AIに答えを出させるのではなく、考えるプロセスを広げる

グループワークでは、まずGeminiにミッションを伝え、どのような施策が考えられるかを相談しました。

ただし、ここでの目的は「AIに正解を出してもらうこと」ではありません。AIにリストを出してもらう。メリット・デメリットを整理してもらう。ターゲットの購買傾向や行動パターンを調べてもらう。出てきた案に対して「なぜその施策が良いのか」「本当にターゲットに届くのか」を問い直す。

AIとの対話を通じて、考える視点を増やしていくことを重視しました。

また、施策はPRだけに限りません。パッケージやフレーバーを変える、販売方法を変える、カフェやホテルとコラボする、試食イベントなどで体験してもらうなど、ミッションを達成するための手段は複数あります。

生徒たちはGeminiと壁打ちをしながら、自分たちのターゲットに合った施策を検討し、最終的にグループごとの戦略を決定しました。

施策を考え、アウトプットを作り、発表する

施策を決めた後は、Geminiを使って実際のアウトプット制作に取り組みました。

ポスター、SNS投稿文、TikTok動画の構成案、新商品アイデア、ターゲットに向けたメッセージなど、作成するものはグループごとにさまざまです。

さらに、最後の発表に向けて、Geminiでスライド構成も作成しました。発表では、各グループが次の4点を整理して発表しました。

・自分たちのターゲットとミッション
・最初に提示されたAI素材の何がミッションに合わなかったか
・取った戦略とその理由
・最終アウトプット

AIが作ったものをそのまま使うのではなく、自分たちのミッションに合わせて問い直し、必要な情報を集め、施策を絞り、アウトプットに落とし込む。

この一連のプロセスを通じて、生徒たちは「AIを使う」とは、単に早く作ることではなく、目的に合わせて使い方を設計することなのだと体感していきました。

講義後、AIへの活用意欲に変化

2日間の講義後に実施したアンケートでは、全回答者が「勉強になった」以上の評価をつけ、「あまり勉強にならなかった」「勉強にならなかった」という回答はありませんでした。

また、AI活用への意識にも変化が見られました。
講義前は「積極的に活用したい」と回答した生徒は約3割でしたが、
講義後には約7割に増加。「できれば使いたくない」と回答した生徒はいなくなりました。

自由記述でも、AIへの印象変化や、実際に手を動かしたことによる気づきが多く寄せられました。

「もともとAIは怖いものだと思っていたけど、今回の講座を受けて便利なものだとわかりました」

「AIのいいところも悪いところも知れてよかった。AIでスライドが作れるのは予想外で驚いた。完成度も高かった」

「今まで宿題の確認くらいでしか使ったことがなかったので新鮮でした」

「AIは便利な一方で、指示したこととかなり別のものができあがって大変だった。プロンプトの重要性を実感しました」

便利さだけではなく、難しさや注意点も含めて体験したからこそ、AIをより主体的に使っていくための視点が生まれたのではないでしょうか。

AI時代に必要なのは、作る力と、問いを持ち続ける力

AIによって、文章、画像、スライド、企画案などのアウトプットを作るハードルは大きく下がりました。

しかし、簡単に作れるからこそ、「何のために作るのか」「誰に届けるのか」
「そのアウトプットは本当に目的に近づいているのか」を考える力がより重要になります。

今回の講義では、生徒たちがAIを使って実際に手を動かしながら、
作る楽しさと、考え続けることの大切さを体験しました。

AIを怖がりすぎず、盲信もしない。
自分の言葉で問いを立て、必要な情報を読み解き、目的に合わせて使いこなす。

bridgeでは今後も、AI時代に必要な創造性と実践力を育む学びの機会づくりに取り組んでまいります。

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